#3 エフェクトの利用

 Movie Studioのビデオトラックは3本。いずれも機能には差がない。

 エフェクトの利用も、モーションつけることも、フェード(不透明度の設定)も、同じように適用できる。
 ただ、上のトラックほど前面に表示されるということだけを覚えておけばいい。

 これを前提に今回はエフェクトの機能を見ていくことにしよう。
 ここで取り上げるのは、トランジションとビデオエフェクト、そしてモーションである。

■トランジション

 ビデオ編集の最も基本的なエフェクトは、シーンとシーンをつなぐ場面転換の効果、いわゆるトランジションであろう。

 前回までで紹介したように、同一トラックで2つのクリップを重ね合わせた部分には自動的にクロスフェードのトランジションが適用される。
 フェードにおける変化の度合いをカーブの形状で選択可能な点についても先に触れている。

 クロスフェードおよびトランジションなし、すなわち単なるカットつなぎは最も基本となる場面転換の方法だが、これだけでは寂しいと思うのが人情だろう。
 PCを使ったビデオ編集ではさまざまなトランジションが利用できるので、使ってみない手はない。

#2 タイムラインの基本操作

 前回に引き続き、タイムラインでの基本操作を見ていこう。

 Movie Studioでは、タイムラインでの操作はほとんどがマウス+キーボードショートカットで行える。
 メニューを使うことはほとんどないといってよい。

 前回紹介した不透明度やフェードイン/フェードアウトの設定、タイムストレッチ(スローモーション/クイックモーション)の機能を試してみれば、それがわかるはずだ。

 タイムライン操作にはMovie Studioならではのものがほかにもいくつかある。
 まず、最初に紹介するのが、これらと同様の操作方法で行える「イベントの内容のシフト」だ。

 イベントの内容のシフトは、タイムライン上に配置したクリップのイン点とアウト点を同時に同じ時間だけ変更するもの。
 タイムラインにおけるクリップの長さおよび配置はそのままで、クリップ内の再生される部分が変わるという機能であり、これは、Premiereでいうスリップに当たる。
 その操作はAlt+マウスのドラッグだ。マウスを左にドラッグすれば、イン点・アウト点が後ろに移動、右にドラッグすれば前に移動という具合である。

#1 Movie Studioの基本を知る

 Screenblast Movie Studioは実売約23,000円のビデオソフトである。連載第1回となる今回はまず最初にMovie Studioの位置づけを紹介してみたい。

 Windows用のビデオ編集ソフトの定番は、1万円台の入門者向けではUlead Video Studio、ハイアマチュア~プロ向けとしてはAdobe Premiereというのが、世間一般の認識だろう。
 低価格ソフトについては他にも多くの製品があるため異論もあるだろうが、ここでは最もシェアが高く、触ったユーザーも多いだろうということでVideo Studioを一例として挙げさせて、もらうことにする。

 いずれにせよ入門者向けとその上との開きは実売ベースで5万円以上と大きく、その中間というソフトは意外にも存在しなかった。
 VideoStudioに不満を覚え、ステップアップしようとしてもPremiereでは高すぎる。機能的はPremiereほどのものは必要ないが、もっと作業効率を向上させたいと感じているユーザーは多いはずだ。そこでおすすめするのがこのMovie Studioというわけである。

#0 Movie Studioレビュー

(本記事は連載の前に単体のレビューとして掲載されたものです)

  SONY PICTURES DIGITAL NETWORKS(以下SPDN)からリリースされたSCREENBLAST MOVIE STUDIOはすべての作業がリアルタイムで行えるという、非常に快適な編集作業を提供してくれるビデオ編集ソフトだ。
 本ソフトを一度触れば、これまでのビデオ編集ソフトがいかにレスポンスが悪かったのか思い知るはずである。

 MOVIE STUDIOの前身は、SONIC FOUNDRY(以下SF)社のVIDEO FACTORYという製品。
 SF社がSPDNに買収されたのを機に新たにコンシューマー向けにSCREENBLASTというブランドが設立され、その第一弾としてMOVIE STUDIOがラインナップされた。
 同ブランドからはACID PROの廉価版であるACID 4.0(旧ACID MUSIC)も同時リリースされている。

Vegas Movie Studioで始めるビデオ編集

 「Screenblast Movie Studioで始めるビデオ編集入門」は2004年7月号より連載が開始されました。

  Sony Pictures Digital Networksのコンシューマー向けブランドScreenblastシリーズとしてで発売されていたビデオ編集ソフトMovie Studioを使ったビデオ編集入門記事です。

 連載は5回まで続きました。Movie Studioの国内の取り扱いはHOOK UPが行っていました。

 2008年現在、メーカー名はSONY Creative Softwareへと変更され、ソフト名もVegas Movie Studioと変更されています。
 国内での取り扱いは現在でもHOOK UPが行っています。

 メーカー名、製品名は当時のもので、本文も当時のまま修正していません。

#5 DVD-MovieAlbum 4

 DVD-MovieAlbum(以下DMA)がバージョンアップした。本連載第2回で紹介した、VRフォーマットで記録したDVD-RAMの編集・再生ソフトである。DVD-RAMレコーダーのユーザーには必携のソフトとして紹介したが、不満な点も残ったのは確か。最新バージョンのDVD-MovieAlbum SE 4はどれだけ改善されているだろうか? 筆者自身も長く愛用しているだけにチェックにも気合を入れて臨んだ。さて、その結果はいかに?

■概要

 DMAはあいかわらずドライブへのバンドルのみとなっており、単体での入手方法は現在のところない。今回は松下電器産業の最新DVDマルチドライブにバンドルされたものをテストした。前バージョンからのアップグレードについては記事作成時点で詳細は不明だが、5月下旬よりアップグレード受け付け予定というアナウンスが松下電器産業のWebに掲載されている。DMAはDVD-RAMレコーダー推進のために重要な位置を担っているのだから、前バージョン登録ユーザーへの通知はしっかりやってもらいたいと思うし、サードパーティ製ドライブへのバンドルも多いのだから、そうしたユーザーへの配慮もしっかりしてもらいたい。DMAがあるから松下製レコーダー(あるいは他社製DVD-RAMレコーダー)を買うということもあると思うのだが。

#4 ソニーのスゴ録を使ってみる

 現在最も人気集めているDVDレコーダーがソニーのスゴ録シリーズである。

 G-GUIDEを用いたEPGや「おまかせまる録」機能、低価格ながら大容量のHDDを搭載するなど、DVDレコーダーを初めて買うという人にとってはわかりやすいセールスポイントが目白押しで、確かに売れるだろうなあ、と思わせられる。
 それらのセールスポイントをわかりやすく紹介したCMも購買意欲をそそるものだろう。

 そして、実機を使ってみると、やはりその操作はわかりやすく、多くのユーザーは満足しそうだなあ、と感じた。なるほどよくできているのである。
 しかし、使い込むうちに不満が出てくるのではないかという気も同時にした。
 とくにDVD作成や編集機能の貧弱さが目立つのである。

 これをPCとの連携で解消できないか、というのが今回のテーマである。
 使用したモデルは250GバイトのHDDを搭載したハイブリッドレコーダーのRDR-HX10である。

 いつものようにDVD-RW採用の他社製品でも応用がきくように進めていきたい。

#3 再エンコードを避ける

今回の使用ソフト:TMPGEnc DVD Author 1.5
今回の目標:再エンコードを避ける

 いくつかDVDオーサリングソフトを使って思うのは、自分の目的に100%沿うものは現時点で存在せず、ある程度の妥協はどうしても必要になってくるということだ。
 こうした妥協点は、ユーザーがこだわる部分によって変わってくるだろう。

 また、1人のユーザーでも、作成するディスクの種類や録画ソースの違いによっても変わってくるはずだ。
 音楽クリップ集はゴミの排除を1フレームの欠けもなしに実現したいが、ドラマや映画ならGOP単位編集でも許せるといった具合である。

 実際に何枚かのDVDを作ったことがあるなら、この気持ちはわかっていただけると思う。

 第3回で取り上げるペガシスのTMPEGEnc DVD Atuhor(TDA)も、これまでのソフト同様不満の残る製品ではあるが、他にはない利点を多く備えている。
 これらに納得できれば、何割かのユーザーにとっては、現時点でベストな製品になり得るものである。

 まずは本連載の目標に即したTDAの主な特徴を挙げてみよう。

#2 ゴミフレームをどうするか

 今回のテーマはゴミの排除だ。

 利用するソフトはDVD-MovieAlbum SEとMpegCraftの2つ。

 いずれもオーサリングソフトではないので、別途オーサリングソフトが必要になるが、ゴミの排除には現時点でベストとはいえないものの、オーサリングの前処理にはかなり有用な組み合わせである。

 ソフトの対応から、今回もDVD-RAMレコーダー用の記事になる。

■ゴミ問題

 たとえば、ミュージックステーションを毎回録画、気に入った曲だけをDVDビデオに残そうと思ったとしよう。

 DVDの編集機能の制限で、毎回曲が終わるたびに一瞬タモリの顔が出てきてしまうDVDはかっこ悪い。

 かといって曲の最後の部分が欠けるのも避けたい。

 いくらメニューデザインに凝っても、ゴミが出てしまっては興醒めである。
 これをどうやって解決するかが問題だ。

 では、余計なフレームが残った場合にどう対処すればよいだろうか。

 余計なフレーム、いわゆるゴミの問題については前回にもちょっと触れているが、簡単におさらいしておこう。

#1 DVDレコーダーの映像をPCに転送~もっとカッコイイDVDビデオを作る

■目的と必要なもの~なぜPCでやるのか?

  20003年を代表する家電の1つとして注目され、急速な普及を果たしたのがDVDレコーダーである。

 単に個人的なビデオライブラリを作るだけでなく、録画番組をDVD-Rに記録することでDVDプレイヤーさえあれば誰でも見られるDVDメディアが作れるというのがウリの1つである。
 しかもそのメディアに記録された映像は高画質でVHSテープのように再生するたびに劣化することはない(メディアの寿命は別問題として)。

 DVDレコーダーのユーザーの中には、DVD-Rの作成にPCを併用している人が意外と多い。
 それがレコーダーだけでも可能な作業なのにもかかわらず、である。

 そこにはPCでなければできないことが存在する。
 それを説明する前にDVDレコーダーの特徴をおさらいしておこう。

 DVDレコーダーには、DVD単体レコーダーと、ハードディスクも内蔵したハイブリッドレコーダーの2種類がある。

コンテンツ配信