Kontaktの付属ライブラリ「Akkord Guitar」を使えば、アコギのバッキングが瞬時に作成できる。そんなお話です。 独Native Instruments社のKontaktは膨大なライブラリを備えたソフトウェアサンプラーです。NI KOMPLETEを購入したら付いてきたので使っている、という人も多いでしょう。 Kontaktのライブラリは音質もさることながら、独自のスクリプトによりキースイッチを使った多彩な演奏ができるのも大きな魅力です。 キースイッチとは、カンタンにいうとMIDIキーボードの特定のノートやコントロールチェンジなどで演奏方法を切り替えられるというもの。これを利用したライブラリの代表的なものがここで紹介するアコースティックギターのライブラリ「Akkord Guitar」です。 Akkord Guitarとは「Akkord Guitar」はKontakt 2から付属しており、これさえあればアコースティックギターのバッキングは一瞬でできる、と一部で人気のライブラリ。単音弾きならMIDI打ち込みでもなんとか聴けるものにできますが、むずかしいのがストラミング、というかストロークやカッティングの表現。これをいともカンタンにリアルに聴かせられるのがAkkor Guitarなのです。 しかし、Kontakt 3以降、詳細なライブラリ内容を記したマニュアルが省かれてしまったため、あまり知られていないのも事実(知ってる人はあまりにも便利なので教えたくないというのもあるかも)。さらにKontakt 4の発売当時は、素材のオーディオファイルこそ収録されていたもののnkiファイルが付属せず、事実上使えない状態でした。しかし、2010年4月下旬のアップデートでようやく使えるようになりました。 Kontakt 4のウリの1つは、新たにライブラリごとに適したGUIを備えたこと。インストゥルメントに適した操作子を画面上に出すことでサウンドのエディットが非常にやりやすくなったのが特徴です。シンセとストリングスでは、エディットするパラメータが異なるわけですが、これがわかりやすくGUIで表現されたというわけです。 Akkord Guitarもその例にもれず、表示される鍵盤でキースイッチの位置がわかりやすいほか、選択したパターンやコードの表示も見やすいものとなっています。 鍵盤の青い部分がコード指定用、緑の部分がパターン変更用といった具合。この両方を別々にレコーディング、データ入力することも可能なので、鍵盤が苦手という人もバッチリな仕様となっているのです。 では、使い方をムービーで見ていきましょう。 ムービーで見るAkkord Guitarの使い方大きいサイズで見たい場合はクリックでYouTubeに飛びます。 今回もSONARでの例を紹介。ソフトウェアシンセのマウントやライブラリのロードは特に変わったことはありません。なお、Akkord Guitarは容量によって3種類用意されています。大きいサイズのものは対応するコードが多いのですが、ここではDefaultを選択。 ムービーで行っている操作は以下のとおり。
パターンチェンジの際に鍵盤のオクターブシフトを押していますが、これは鍵盤の鍵数が足りなかったため。Akkord Guitarを鍵盤で使いこなすには49鍵数以上が望ましいかと思います。 また、LATCH(ラッチ)がONの場合、音を止めるには鍵盤でC6を押します(画面上の鍵盤では赤になっています)。 コードの指定方法ムービーをご覧になってわかるとおり、コードの押さえ方は非常にシンプル。 メジャーコードなら指一本でOK。マイナーの場合は2本(1・3度を押さえる)、7thの場合はさらに7度の音を加えるといった具合(メジャー7thもOK)。 sus4やdimなどもデフォルトのライブラリで対応可能です。さらに大容量のものを選べばより難しいコードもOK。これら場合は構成音をぜんぶ押さえる、と考えておけば間違いないでしょう。 バージョンによる違いなお、Kontakt 2、Kontakt 3では専用のGUIが用意されないだけで、ムービーで示したような基本的な使い方はKontakt 4と同じです。一方、ユーザーによるパターン作成は4ではできなくなっているようです。こちらも、後ほどアップデートにより追加されるとうれしいのですが。詳しくはNIのフォーラム(英語)をごらんください。 ともかく、Kontaktをお持ちならバージョンに限らずAkkord Guitarの恩恵にあずかることは可能です(1は不可ですが)。一度はお試しあれ。
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